もっと大津町が好きになる!フリーマガジン

学生時代に聞いた言葉をバネに

戦後の復興を目指し、祖父がし尿処理業を始めた「日野環境」は創業64年。
現在、下水道管理やゴミ処理施設などを運営する正人さんは3代目になる。

学生の頃から、春休みも夏休みも、パキュ—ム車に乗り誇りを持って仕事を手伝っていた。
ある時「あんな仕事につかんよう勉強せないけんよ」と話すのが聞こえ、自分と世間との認識の違いを知り愕然とする。
その経験を踏まえ、社員やその家族には〈大切な地下水や地域、ひいては地球を守るかけがえのない仕事だというプライド〉を持って働ける仕事、職場作りを心がけてきた。

そして、住民一人ひとりが環境保全に貢献しているという意識づけ、浄化槽点検やゴミ分別を「やっている人が偉い町」へ。
住民の意識革命が町を造っていく、と語る日野さんの言葉には、ずしりと重みがある。

「SDGSの町・大津町」へ

最近では、環境経営の認証制度「エコアクション21」に取り組み、樹木や剪定枝葉・刈草などを堆肥化するリサイクル事業にも力を入れる。
また、生産性向上と住民サーピス充実のためIT技術を導入。
この業界では、県内初となるカード決済を取り入れた。

常に考えてきたのは、町内で全てが循環するしくみ作り。
今後は、日照率が悪い休耕地の活用で、自社のリサイクル堆肥を使い町内企業と共同で「かぽちゃ」を生産し、雇用や地産地消につなげる。
まさに〈循環型農業〉だ。

人や環境を作るのは自分の経験と感覚でしかない。
「出会う人みんなが自分の先生」と謙虚に学ぷ姿勢で真摯に受け止め経験を
積み、その時に見える高みの世界を想像し、日々精進する。

静かに熱く話す日野さんの目には、未来の大津町の姿がしっかりと見えていた。

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